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2006/03/01 (Wed) hope






―――――――――生きている限り、
願いは消えないモノだと教わった、けれど。











荒廃した戦地。幾多の銃撃戦がこの土地で繰り広げられた。
かつてないほど残酷で、長い長い終わりのない戦争が
世界各国で繰り広げられていた。

2×××年

突如起こった第一次『世界戦争』は一般市民を窮地に追いやり、これまでにない程の恐怖に陥れた

―――――――――荒れ果てたその土地はかつて
日本国で一番栄えていた都市、『東京』



今や、見る影すら無い場所だけれど。










「…こんな、殺人の道具しか持つことの出来ない手で、」

「何が、出来る?」

そう、一人呟く女の漆黒の長い髪は、朝日に映えて美しい。
空は陽を昇らせ、徐々に薄暗い世界に、光を与えた。


女は、感情の無い、冷たい目で辺りを見渡した。
壊滅状態の都市の姿。日本中で一番
栄えていたその街は、既に荒廃し、人の影すらなかった。

―――――――其処に在る物といえば。

足元を見ると、だらりとだらしなく伸びた嘗て
「生き物であった」モノの腕がこの戦いの悲惨さを物語っていた。
女と同じ迷彩服を着た人間。先刻まで、女と会話を交わしていた人間。

―――――――今は、もう、言わば「肉塊」

「辛うじて生き残ったのは、私だけか」
女は片手に握った銃を冷たい地面に叩きつけた。
部隊は全滅である。否、その女だけは生き残った。

生き残ったのに、生きているのに、哀しい。
残されたモノは、死んだモノを沢山、背負った。

女から、雑音に紛れて、男声が聞こえた。
それは彼女が持つトランシーバが発する音であった。

「―――――燐、無事か?」
所々雑音に紛れて、男の声が辛うじて聞こえる。
「ああ、無事だよ。」
女は即座にそう答える。険しい表情を浮かべて。
「…私だけだが、な」

部隊は、全滅した

そう呟いて、彼女の両目から涙が滴り落ちた。
銃を握った時から女を捨ててきた自分が、涙を流すのが悔しい。
しかし、女は激情を留める事が出来なかった。

「私は、何も出来ないのだ」
「この目で仲間が死んでいくのを、」
「黙って見ている事しか出来ないんだ」
「救えない、誰も、救えない」



…こんな、殺人の道具しか持つことの出来ない手で、

「何が、出来る?」


何が、 掴 め る ?






壊れかけた機械から、男の声がまた、聞こえた
「…燐、落ち着け。お前は、ちゃんと戻って来い」
「わかっている、けれど、…」

無力である。
人を傷つけるのは簡単に出来るのに、人を救う事は出来ない
無力である。

「悔しい、」

「私は、」







――――――――――――――戦争なんて、したく無いんだ













誰かが、何処かで、泣いている。
誰かが、何処かで、叫んでいる。

平和を想って、泣いている
平和を想って、叫んでいる


もう誰も、死んで欲しくなんか


 無 い ん だ よ 。








「それでもお前は、戦争を終わらせるために、銃を握るんだろう?」
「なら、早く戻ってきて、再び銃を握れ」



また、戦だ。




終わりの無いような、世界の果ての様な。
戦争とはそういうモノで。


「――――――了解」

そう短く返事をして電源を切ると、邪魔になる長い黒髪を
一つに束ねてから、女は歩き出した。

高く上った陽に向かって。








銃を握る事の意味を問いながら。









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2005/12/12 (Mon) Wish

薄明かりが夜空を染め、星が見えない。


「どぉして…」

殺し合いなんてするんだろうね?

とか何とか言いながら、この人達を殺したのは、

アタシ、だ。


「…オニイサン、生きてるか?」

(もし、生きてても仕方ない、かな)

少女は足元に転がった「人間らしきモノ」を見下ろし、話し掛けた。無論返事が返ってくる筈も無く、荒野に寂しく
彼女の声だけが、響いた。

それは醜く変形した、血の塊。辛うじてそれが「身体」だと
言う事が見て取れる。
その「身体」は元は、未だ年若い、アメリカ兵だった。
――――――――今は見る影も無い、固形と化しているが。


「…家に、帰るよ、あたし。
早く帰らないと(煉)が心配する」

そう言い残して彼女は「オニイサン」の元を立ち去る。
そっと、そっと、まるで傍に眠っている人が居るかの様に
静かに、その物言わぬ兵士の前を後にする。
「…オヤスミ、いい夢は…見られない、ね」
足取りが重い。まるで足首に鎖がついているかの様だ。



もはや、涙など枯れてしまった。
情けすら、無い。心なんて、無い。あたしは―――――――







「…馨、無事、だったんだな」
元・人間の居住区だった瓦礫の山の近くに、ぽつりとテントが
貼ってあった。其処に在る筈の高層マンション、今は
見る影すらない。鉄筋コンクリートだったモノ。残骸が
辺りに散らばって居る。

その迷彩柄のちっぽけなテントの入り口付近で、男が一人、
少女を出迎えた。

少々小柄な男で、その背丈に迷彩柄の
自衛隊服が不似合いだった。無造作に生やした無精髭が無ければ、成人をしている男かどうか判別する事すら、難しい。

―――――――男の年恰好から、少女の父親には到底見えなかった。

「…煉、お風呂入りたい…」
ぽつり、と少女がそう言うと、男は呆れ返ってため息をついた
「あのな、馨。此処に風呂があると思うか?
家がぶっ飛んだから、テントで暮らしてるっつーのに」
頭を無造作に掻き毟りながら、男はそう言い放った。
「そっか、家、ぶっ飛んじゃったんだね。
――――――――――東京大空襲の時に。」

もう、1週間近くになる、あの空襲。
地獄絵図、とはあの事だ。あの炎は誰に消し止められる事なく
東京の街を覆い尽くした。人間が、沢山死んだ。

「…ねぇ、煉、燐は何処行ったの」
「まだ仕事だ。帰ってくるの、期待すんなよ」

そうまた乱暴な口調で言い放ちながら、狭いテントの
内部で、男は小さな電気コンロで湯を沸かしている。

「期待してなんか、いないよ…
誰が死んでも、あたし、悲しくならないから。もぉ…」

こんな世界に、何を期待する?

夜の来ない、東京には粉雪が舞い始めた。
せめて最期だけは、この寒空の下以外の場所で迎えて欲しい。


――――――――そうでなきゃ、あんまりにも寂しいから。












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2005/10/20 (Thu) Wish

ねぇ、愛って

―――――――――愛って、なんだっけ。












荒廃した戦地。幾多の銃撃戦がこの土地で繰り広げられた。
かつてないほど残酷で、長い長い終わりのない戦争が
世界各国で繰り広げられていた。

2×××年

突如起こった第一次『世界戦争』は一般市民を窮地に追いやり、これまでにない程の恐怖に陥れた

―――――――――荒れ果てたその土地はかつて
日本国で一番栄えていた都市、『東京』



今や、見る影すら無い場所だけれど。











「やっと、終わった」


少女が首を起こした時、既に日は高く昇っていた
身の周りを覆い尽くす瓦礫を押しのけながら、ゆっくりと
重い腰を動かした。

「…何にも、無くなっちゃったね」
少女は哀しそうに辺りを見渡し、ふふ、と小さく笑んだ

何も無い景色というのは之ほど哀しいものなのか、と

彼女は幾つも荒廃した戦地や市外を見てきたけれど
長年住み、慣れ親しんで来た東京の変わり果てた景色を
眺めるとなんともやりきれない気持ちだった。

そんな気分を無理矢理晴らすように、彼女は瓦礫の山の上、大きく一人、声をあげた

「さぁ、帰ったらまずお風呂入ろう!」

元気よくそう言った後、大人が持っても大きく重い銃を
何の苦無しに背中に背負い、その場を後にする。
幸い彼女には大した怪我はなく、しっかりとした足取りで辺り一帯の瓦礫を踏みながら歩いていった。






16歳のその少女の肩には、銃以上に重いモノが圧し掛かっている。

今までも、そしてこれからも。
彼女が生きている限り、背負わなくてはならない、




重い、重い『業』だった。








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2005/10/20 (Thu) Wish

いくらあの遠い星に向かっても

祈りは誰にも届かない
願いは何も叶わない

そんな世界で、そんな戦地で






――――――――――愛が、生まれた。




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プロフィール

新山莉紅(にいやまりく)

Author:新山莉紅(にいやまりく)
多忙につき更新不定期

・新山莉紅(にいやまりく)

自分でも漢字変換めんどくさい(昔から)
でも今更変えるのもなんだかな…なHN

永遠の15歳
※ピーターパン症候群

超多忙な短大生
王子様のお迎えを待ち続けて今年で19年目
※上記と矛盾が生じました

・腐ってないけどオタってます(アキバ系)
・リスペクト中川翔子
・眼鏡男子萌え
例:後藤正文
・ムスカ大佐萌え
(ちなみに友達はアシタカ萌え)
・つねに貧乏空腹
・多分結婚はお見合いです
・理由は言わずもがな★

炭酸飲料と邦楽さえあればとりあえず満足な人

邦楽ロックすき

RocK;)
・RADWIMPS
・AZIAN-KUNG-FU GENERATION
・ELLEGARDEN

OtheR:)
・中川翔子
・perfume

趣味はカラオケ
もはや部活動の勢いでカラオケに通い詰めてるよ
朝から晩まで

皆様からの心温まるツッコミお待ちしております

プロフィール詳細

※当ブログは基本、リンクフリーです。
相互も受付中、お気軽に声をかけてやって
下さい。


絵日記なんぞも描いてます
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